性機能障害にはいわゆる勃起不全だけでなく性欲の減退・射精の障害なども含まれている意外と奥深い分野です。
泌尿器科学の中では一部の医者は熱心に取り組んでいるもののまだまだ悪性腫瘍などに比べると扱いが小さいのも事実であります。専門学会である日本性機能学会も近年発足し(これまでは性機能研究会という名称で学会の扱いではありませんでした。)性機能障害の治療に関心を持つ泌尿器科医で活発な議論がなされています。気恥ずかしさもあり、またある程度は仕方ないと諦めてしまう方が多くこれまであまり目立つことがありませんでしたが、性機能障害は誰にでも起こりうる障害で実際非常にありふれたものといえます。ここでは最近特に注目を集めている勃起不全についてお話しさせていただきます。
勃起不全(ED)とは勃起の力が弱い・勃起の持続時間が保たれないなど勃起に問題があり性交渉に支障を来す状態を指します。大別すると器質性(=糖尿病や血管障害などで陰茎や神経そのものに問題がある場合やホルモンの異常がある場合がこれに含まれます)と機能性(=陰茎や神経などの構造上の問題はない場合で、心因性とよばれる精神的な要因で発症しているものもこれに含まれます)に分類することができます。器質性の場合、ベースとなっている病気の治療が優先されます。実際には器質性より機能性勃起不全の頻度の方が圧倒的に高いのですがまずはこの見立てが重要です。
機能性及び一部の器質性勃起不全における治療の1つが内服薬による治療です。かつては漢方薬やビタミン剤、抗不安薬などが用いられていましたが、バイアグラの登場で治療効果が一変しました。従来使用していた薬剤に比べ圧倒的に有効性が高く、約8割の方に有効というデータが出されています。ただし全身状態や他の内服薬の有無によっては危険な合併症も報告されていますので専門医からの処方を受けることをお勧めします。また近年、レビトラという勃起不全に対する治療薬も登場し、内服薬による治療の幅が増しました。
バイアグラ・レビトラを含めた内服薬による治療以外には心理療法・陰茎海綿体内薬物投与・勃起補助具を用いた方法などの治療方法も存在します。当院では日本性機能学会会員としてこれまで地域の一線級の基幹病院で性機能専門外来を担当してきた豊富な経験をもとに性機能障害に関する診療もおこなっています。