近年老若を問わず発生頻度が急上昇してきている癌の1つが前立腺癌です。
その原因として食事を含めたライフスタイルの欧米化・検診の普及等にて早期発見癌が増えてきていることなどを挙げることができます。天皇陛下や深作欣二さん、三波春夫さんの御病気として耳にされた方も多いのではないでしょうか。実際米国では男性における癌による死亡はこの前立腺癌によるものが最多であるといわれています。また老衰で死亡された男性を剖検してみると約90%の確率で前立腺癌が検出されたという報告も存在します。
前立腺はおおまかに述べますと「みかん」の様な構造をしていると考えていただいてよいかと思います。いわゆる「身」の部分(=内腺)と「皮」の部分(=外腺)に分けることができます。前立腺肥大症は内腺から発生し、前立腺癌は基本的に外腺から発生するといわれています。(もちろん頻度は低いですが内腺から発生する前立腺癌も存在します。)内腺から発生する前立腺肥大症は直接尿道・膀胱へ影響を及ぼすので排尿に関する症状が出現しやすいのですが、前立腺癌は先に述べましたように外腺から発生することが多いので自覚症状が比較的でにくいとされています。
前立腺癌は早期発見することが可能であります。排尿に関する症状が存在したりおしっこに血が混じる場合はもちろんのこと無症状であっても採血・超音波検査・直腸診でかなりの高い確率で診断することができます。採血のみでもある程度のあたりをつけることはできますが、採血のみではなく可能であれば超音波検査、さらに可能であれば直腸診(お尻からほんのすこしだけ指をいれ前立腺を触診するという診察です。)を行なったほうが当然のことではありますが診断の確率は格段に上昇します。当院では医学上の見地からこの3つの検査をまずはお勧めしますが、採血だけでチェックしてほしいという方や3つのうち2つだけで検査してほしいとの御要望があればもちろんそのように対応させていただいております。
これらの検査で癌の疑いが生じた場合、前立腺の組織・細胞を針で採取する検査(前立腺針生検)を行ない前立腺癌の有無につき病理組織学的に確定診断を下します。当院では前立腺針生検も麻酔(仙骨麻酔といいまして局所麻酔より強く、いわゆる半身麻酔より弱い、骨盤のあたりのみの痛みを取り除く麻酔方法です。)をし、十分除痛した上で日帰りで行なっています。